「体育」から「スポーツ」へ

スポーツ・体育

 「体育」から「スポーツ」へ
日本のアマチュアスポーツを統括する「日本体育協会」が、2018(平成30)年4月1日から組織名称を「日本スポーツ協会」に変更することを決めました(※2018年2月1日現在)。また、同協会の中心事業である「国民体育大会」や、国民の祝日である「体育の日」も、それぞれ「国民スポーツ大会」や「スポーツの日」への変更を検討しているようです。


 「体育」から「スポーツ」への動きは、全国の市区町村教育委員会より任命される「体育指導委員」が、2011(平成23)年8月24日制定の「スポーツ基本法」により、「スポーツ推進委員」に変わったのを皮切りに、2015年(10月1日)にはスポーツ庁が発足するなど、近年は団体名や大会名など多くの場面で「体育」という言葉を「スポーツ」に置き換える動きが見受けられます。


 その理由として、「体育」とその下位概念として教育の一環と捉えられてきた「スポーツ」が、それぞれ独立した概念として捉えられるようになったことがあげられます。「体育」という言葉は、教育や心身の鍛錬を目的とした、競技としての「スポーツ」を含む身体活動を指す概念として使われてきました。しかし、時代の変遷とともに「体を動かすこと」や「汗をかくこと」が日常生活に近接し、今日では老若男女、障害の有無を問わず、様々な身体活動が様々な目的で自発的に行われています。体育の中で行われているスポーツも、教育を目的とする身体活動と捉えることができます。

『大学生のための体育講義-今日つくる未来・今日を生きる知恵-』:推敲舎(2018)より自著部分を抜粋


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