小1プロブレム

  生きるチカラ

 

 小学校に入学したばかりの小学校1年生が集団行動が取れない、授業中に座っていられない、話を聞かないなどの状態が数ヶ月継続する状態が「小1プロブレム」とされています(東京都教育委員会,2018)。

・集団行動がとれない
 保育園や幼稚園では自分の好きな遊びをすることが多く、思い通りに行動することができます。しかし、小学校ではクラス全体での活動が多いため、集団行動をすることが必要になります。そのため、初めはクラスメイトとの協調性を身につけることができず、一人で行動することが多くなることがあります。

・授業中に座っていられない
 小学校では教科書を使った授業が中心となり、授業時間も長くなります。このため、長時間座っていることや緊張感のある雰囲気に馴染めずに、集中力が低下することがあります。また、体を動かすことが好きな年齢であるため、授業に注意を向けることが難しい場合があります。

・先生の話を聞かない
 保育園や幼稚園では、比較的自分のペースで活動することができます。しかし、小学校では一斉授業が多くなるため、全員が同じペースで授業を進める必要があります。そのため、自分に合わない授業内容やペースに馴染めず、あるいはついていけず、授業に興味を持てなくなることがあります。

■子どもが小学校入学後の環境変化に対応できない理由として、他に次のようなことが考えられます。

・コミュニケーションの困難
 小学校に入ると、先生も含め、子ども達は初対面の人とコミュニケーションを取る必要があります。しかし、常に“知っている大人”が近くにいて、“知らない人”とコミュニケーションを取る機会が極端に少ない現代では、必然的に新しい出会いに対応し得るスキルが形成される機会も少なくなります。それに加えて、クラスでの競争やグループ活動に参加することも求められるため、不安を感じることがあります。

・運動量の減少
 保育園や幼稚園では、自由に遊ぶ時間以外の日常保育中にも体を動かす機会が多くあり、保育者が一緒になって遊ぶことにより一定の運動量を確保できました。しかし、小学校では授業の時間と遊びの時間が明確に区切られるため、運動不足に陥ることがあります。

 これらの問題を解決するためには、保護者や教育関係者が子どもたちをサポートし、適切な環境を整える必要があります。

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