自立パズル🧩

  生きるチカラ

 「センセー、できない。。。」
 「体育」の前に3歳児がカラーキャップを持って来ることがあります。

 私が週に一度勤務している園では、ほとんどの子どもが首の後ろ側に“垂れ”が付いているカラーキャップを使用しているのですが、顎にかけるゴム紐を顔の前面に残したまま被ることが3歳児には少々難しいようです。

 素材が柔らかく張りがないので、両手でつばを持って被ろうとしてもうまく頭に引っかかりません。

 どうしよう🤔・・・

 頑張って考えた末、一方の手でつばを、もう一方の手で帽子の一番後ろ(=“垂れ”の先端)を持って被ろうとすると、帽子本体が前に出過ぎてしまいます。

 試行錯誤を繰り返す中で、たまたまうまく頭に入ったかと思うと、ゴム紐が奥に入ってしまい引っ張り出すことができません。
 それならばと、一方の手でゴム紐を持ち、もう一方の手でつばを持つと、引っ張られた分、形が変わってしまい、頭の上を滑るばかりです。。。

 手順は間違っていないので頑張ればできそうにも思えますが、何度やっても思うようにならないので、多くの子どもは音を上げてしまいます。

 このような時、「よし、やってあげよう」と被せてしまうことが最も簡単な解決方法です。子どもは嬉しそうに「ありがとう😊」とニコッと笑います。

 子どもはその嬉しさにより、「被れないときには先生にやってもらう」ことが動機づけられ、大人は、子どもの笑顔と自己満足により「被せてあげる」ことが動機づけられるので、とても平和で幸せな光景が繰り返されることになります。

 他方、何度か手伝いながらやり方を教えてあげると、子どもは自分で挑戦するようになり、初めて頭に“スポッ”と入った瞬間は、笑顔でなく、キラキラした目と驚きの表情で顔を上げます。その後に“ニコ~ッ”とします。
 “自立パズル”の1ピースがはまった瞬間です🧩。

 子どもはその感動により、「少し難しいことに頑張って挑戦する」ことが動機づけられ、大人は感動する子どもの様子により、「適度に手伝う」ことや「手や口を出したい衝動を抑える」ことが動機づけられるので、真剣な表情で頑張る子どもを大人が笑顔で見守るというシーンが増えることになります。

 ジグソーパズルでピースがはまった時の嬉しさ、全体が完成したときの感動が、より大きなパズルの挑戦に繋がるように、子ども達の小さな成功体験も少し大きな挑戦に繋がります。

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